コメカブログ

コメカ(早春書店/TVOD/MicroLlama)のブログ。サブカルチャーや社会のことについて書いています。

時代の手ざわり

宝島91年3/24号の表紙画像。


宝島91年3/24号、特集「ニューウェーブの逆襲」。 この、1990年前後にNW……というか(アーリー)80年代が振り返られた状況・感覚というのが、2000年ぐらいにNWを後追いしていた当時の自分には、正直わかりにくかった。そしてそれは、今では更に捉え難いものになってしまったと思う。

「スカだった」にしろ、「何も起こらなかった時代 でもあたしには……」にしろ、90年頃のそういう言葉たちがどういう体験・手ざわりのなかから生まれてきていたのか、00年に16歳だった自分は、当時上手く掴めなかった。たった十年でも、その程度の距離はやっぱり生まれていたと思う。


今では過去の時代が雑に切り捨てられるようになった。当時を無条件肯定するべきではもちろんない。が、例えば80年代にしたって、瞬間芸的なものがどうしてあんなに機能したのか、それが今現在の私たちの在り方とどう繋がっているのか、そういうことを考えずに他人事のように切断しても仕方ないだろう。


あらゆる場所で瞬間芸が矢継ぎ早に繰り出され続けるだけ、という意味では、今現在は80年代と何も変わっていない。なんなら悪化している。しかしその瞬間芸でしかない自分を受け止め耐え切る矜持を持つのか、それとも何らかの普遍性・連続性に連なることを目指すのか、それはもう個々の選択でしかない。


自分がいっぱしの何かであると錯覚した途端に、「サブカル」は間違う。瞬間芸でしかない自分をよくよくわかっておくべきだと思う。そしてそのまま根無し草のようにフッと消えてしまうことに、むしろ希望を持つべきだと思いながら、自分は生きてる。「ほっといてくれ」という気持ちはつまりそういうこと。


「僕らはみんな意味がない」ことこそが、最後の最後で希望を与えてくれるんだよな、自分にとっては。