コメカブログ

コメカ(TVOD/早春書店)のブログ。サブカルチャーや社会のことについて書いています。

感染者数 / 『ハコヅメ』 / 成長痛

東京都新型コロナウイルス感染者数、7月31日土曜日は4,058人、8月1日日曜日は3,058人。最初の緊急事態宣言が発出された2020年4月7日の東京都感染者数は80人だった。もはや形骸化した緊急事態宣言と、罹患者・医療従事者・労働や生活を制限された市民などなど、諸々の人々の苦しみを脇目に意気揚々と続けられるオリンピック。菅政権や小池都政がやっていることは完全な棄民政策だ。日常生活を送るだけで本当に気が滅入り、暗い気持ちになる。

 

ドラマ『ハコヅメ』(日本テレビ)、第三話まで視聴。オフビートな演出やギャグ感覚、キャストの的確な演技など、総じて心地良く観れる。だが、警察という素材がここまで「柔らかな包摂性・教育性」を帯びた環境として描写されることについては正直、奇妙なものを感じる。永野芽郁演じる主人公は、組織内の人々からひたすら柔らかく丁寧に「育てられる」。今後明かされる物語内容にその「柔らかさ」は恐らく関係しているのだろうが、体制というものをこのような筆致で描くことに抵抗が持たれないのが、現在なのだろう。

 

かつての日本型サブカルチャーが、ある種の人々の成長プロセスに寄り添う機能=成長痛的な痛みや混乱の吸収装置としての機能を持っていたとして、では2021年現在の若者には、そういう機能は必要とされているんだろうか?というようなことを、最近よく考える。何処に向けたらよいのか分からない混乱した感情のキャッチャーになってくれるような表現。倫理的判断のなかでは単なる「俗悪」表現として切って捨てられるような文化が、そういう機能を担うこともある。

 

ナイン・インチ・ネイルズ『プリティ・ヘイト・マシーン』。ものすごく久しぶりに聴いたんだけど、こんなに良かったっけ?と思った。