コメカブログ

コメカ(TVOD/早春書店)のブログ。サブカルチャーや社会のことについて書いています。

批評

ZOC現状について雑感

ZOCの今回の件については、メディア上で可視化された情報が現時点ではあまりにも断片的過ぎて、断定的なことを言うのは難しい。ライヴで本人たちから説明のMCがあったらしいが、ぼくはそれを聞いたわけでもない(=MCという一次ソースに直接あたれていない)…

『お笑いの民主化史』メモと構想

「お笑いの民主化」の歴史について関心がある。ここでぼくが「お笑い」という言葉で想定しているのは、漫才・コントを持ち芸のメインとしたお笑い芸人たちが、戦後日本において作り上げてきた状況・環境、ぐらいの狭い範囲。その状況形成を決定づけた主要要…

空想は重力を打ち消す ー熊倉献『春と盆暗』感想ー

言うまでもないことだけど、現実は現実でしかない。人は誰もが、目の前にある「いま・ここ」を生きることしかできない。ただ幸か不幸か私たちは人間であるために、目の前の現実に空想を重ね合わせたり、もしくは現実から離れて空想の彼方に心を飛ばしてしま…

否定しがたい「ヌルさ」 ー映画『花束みたいな恋をした』感想ー

『花束みたいな恋をした』を観た。評判を聞く限り、現代社会批評っぽい内容(しかもかなり批判的な)なのかな~と思ってたんだけど、鑑賞してみて個人的に抱いた印象はそれとはちょっと違った。 そしてなんというか、主人公である麦と絹はあらゆる意味で「ヌル…

「それは戦争ではない」逃げ恥SP感想

『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!』を観た(鑑賞時のツイートツリーはここからhttps://twitter.com/comecaML/status/1346091597172129792?s=20)。大人気だった連ドラ版は、主人公であるみくり・平匡が労働契約として偽装結婚し、雇…

2021年/緊急事態宣言/「伝統」としてのさんま芸

2021年になった。年末年始も基本的に諸々作業し続けているため、年明けの感慨も正直言って特に無い。もともと自分は儀式・儀礼的なものについて無頓着なタイプということもあり、ただ粛々と日々を送っている感じ。ただ、元旦にパートナーと一緒に食べるおせ…

大塚英志「感情化する社会」

大塚英志が、2004年の「更新期の文学」以来久々に、「文芸批評」的な単著を出した。「感情化する社会」と銘打たれた本書で大塚が語るのは、コンピュータやインターネットがアーキテクチャとしてインフラ化した現代において、社会から徐々に「理性」が喪失さ…

奥田愛基「変える」

自分の気持ちや実感を伝える言葉では、個人的なリアリティ、つまり「近い場所」を表現することはできるけれど、国家とか世界とか、「遠い場所」について語ることは難しい。対して、学問や思想の難解な言葉では、「遠い場所」の姿を捉えることはできるけれど…